バンコク逃亡劇(3)

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ボッタクリガイドから逃げ出し、路線バスに揺られて数十分。

完全に地元民向けバスなので、まわりは100%タイ人。日本のようにバス停のアナウンスはなく、淡々と進み、時々降車する人がブザーを押す。


アナウンスはないけれど、僕の場合はたまたま英語の通じる添乗員さん(料金徴収担当)が親切に応対してくれて、なんとか空港へ向かう鉄道駅近くで降りることができた。

駅どこよ・・・

日本の感覚だと路線バスは駅前に止まるのが当然だけれど降り立ったところは大きな道路沿いのショッピングモールらしき建物。

はて・・・この中に駅があるのか??

建物内部の雰囲気は昔の秋葉原的な、小さな電器店が無数にある商店街。ものすごい人。。
声をかけられて相手をするのが面倒なので淡々と探す。

「携帯電話いかがーーーー?」

「やかましーわ」

さて・・・駅は・・・ない。。。

しつこいようだが地図も持っていなければ携帯電話もなく、バンコクには知り合いもいない。
唯一の拠り所はホテルで、空港までゆけばピックアップしてくれる。
なんとしてでも空港へゆかねば。。

警官だってタイ人です

建物の外に出ると警官らしきおっさんがいた。

「駅に行きたいのだけど、どこでしょう?」

と尋ねると、道路にいたタクシー運転手に

「おい、駅だってよ」

と呼びかける。

僕「いや、歩いてゆくから方角を教えてください」
警官「歩くと暑いー、乗ってゆきなよーー」
僕「(やかましーわ)どっち?」

しぶしぶあっちの方、と大雑把に指差す。
きいたところによるとタイの警察官はあんまり仕事をしないらしい。
交通事故などにあってもほったらかし、なんてことも珍しくないようで親切な人に会えたらラッキーくらいのノリがいいのかもしれない。無警戒に他人を信じちゃダメだね、と思い知らされた。

すでにお腹はぺこぺこで、気温は35℃を超え、日差しはじりじり。
水のペットボトルと(ぷち)火事場の馬鹿力で歩きだす。人は多いし、どこに駅があるかもわからず、字も読めない。まったくもって無能状態。

頼りになるのは体力と下手な英語だけ。

駅キターーーーー

2010年8月に開業したエアポートレールリンクはバンコク市街地とスワンナプーム空港を結ぶ最新の鉄道だ。つい先程までの雑多な商店街とは打って変わって、日本の鉄道にも遜色のない近代的な作り。


ここまで来ると空港までは一本で、乗ってくる客層も観光客の雰囲気を醸し出していて、ひと安心。。

駅員から切符代わりの赤いコインを購入し、改札機にタッチして通る。磁気か何かでやりとりしているらしい。SUICAみたいなものか。。


電車を待つ間、高架駅からバンコク市街地を見下ろすとそこはやはり異国の風景。
けれど日本からは失われた、生きるための意欲だとか、活気だとか、そういうものを感じる街。

自分の頭で考える

今回は1000バーツ取られただけで、楽しい逃亡劇が体験できた。
知人には同じようなことで6000バーツ(約1万7千円)ぼられた人もいた。もっと痛い目にあうことも珍しくはないだろう。

「平和ボケ」という言葉はずっと前から知っていたけれど、タイでこんな経験をした後に日本人を観察すると「ああ、なるほど」と感じるようになってきた

僕が通った学校には日本人の方が大半だったのだけど、単独行動をする人は珍しく、群れて行動するのが普通だった。英語ができないこともあるし、危ないことへの免疫がなさすぎるのでリスク回避で団体行動するのは悪いことではないかもしれない。彼らは毎日のようにどこそこへ遊びに行こう、なんとかツアーに参加しよう、と仲良しこよしだった。

いっぽう僕は単独行動ばかりだった。目的の決まった旅なんてつまらないし、観光名所を見るのがその土地の文化を知ることにはつながらない。むしろどうでもいい裏道を歩いたりすることのほうが気づくことは多い。

現代の日本社会の悪いところは、こうした出る杭を打つことだ。
生物は多様性を持つことにより環境に適した進化を模索してきたが、出る杭を打つ文化ではその多様性が生まれず現在置かれた
生活環境が永遠でないにもかかわらず、変容しない。

「諸行無常」:この世のものは姿も本質も常に変質するのが常で、一瞬も同一性を保持できない

人の心も、そして人の心が寄り集まってできている社会も常に変容する。
それに対して日本社会の今のありかたは変化や危機に対して、見ないように、見えないようにする。
(福島原発の問題は1年前の危機的状況から何も進展はしていないのに対しての日本の報道の冷え方しかり)

今回のエピソードだけをとりあげるとタイは危険なイメージかもしれないけれど、僕には平和ボケし危険が陰湿化し地下に潜んでいる日本の方がよほど怖いと感じるようになってしまった。

本当に危険なものは何なのだろう?少し考えてみよう。

おまけ

バンコクレポートはちょっと無理矢理なまとめになりました(_ _)
上記で2000バーツでぼったくり!と書いていますが、後日調べてみたところ貸し切り半日市内ツアーですと1000Bが相場のようです。

普通のメータータクシーで市内へ行っても100バーツですが渋滞により時間がかかります。エアポートレールリンク(鉄道)と路線バスなどをうまく乗り継げば渋滞の影響はさほどなく中心街へゆくことができます。ある程度の英語(できればタイ語)がしゃべれなければ難しいですが、やってみてもおもしろいです。

また現地日本語ガイド付きでタクシー貸し切りの場合は2300バーツなんてところもありました。
異国の相場は難しいです。

Akira

北海道出身、旅と写真と山とダンス好き。
クラニオセイクラルやタイマッサージなどのセラピストとして活動しつつ、ウェブ制作も手掛ける。
旅ネタの多い、気まぐれブログ。
詳細プロフィール

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