南アルプス鳳凰三山テント縦走 (1)

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鳳凰三山。南アルプス北東部にある薬師岳、地蔵岳、観音岳の峰々を総称して鳳凰三山という。深田久弥の日本百名山にも選ばれる、名前に負けない厳つい山容を持つ。
その稜線からは谷を挟んで富士山の次に標高の高い北岳、やはり百名山の仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳と魅力的な山にはことかかない。

甲斐駒に一人きり

2007年10月下旬。
季節外れのこの時期にテントと重い荷物を背負ってきた僕は、既に閉鎖した山小屋の前でテント泊をした。早朝に長野の知人宅を出発し、電車とバスを乗り継ぎ、さらに登山者用バスでたどり着いた北沢峠。小屋の水場はまだ残っていて水筒にめいっぱい詰めておく。内緒のテント泊にドキドキしながらも翌朝から本格的に始まる稜線歩きに胸をおどらせる。人里からは遙かに離れ、月も欠け、山の中で一人星空を眺め、そして眠る。

朝日

翌朝は4時頃に目覚める。小屋の玄関にテント泊代として500円玉を置き、5時前に出発する。3泊の予定で背負ってきた20キロ超の荷物は重たく肩にベルトが食い込む。稜線では雪が降り、晩秋らしい澄んだ冷たい空気が鼻を通り抜けてゆく。雪の上を歩くとシャリンシャリンとガラスの破片の中を歩くような感覚になる。

甲斐駒方面と鳳凰三山方面への鞍部でカメラ機材をのぞいたほとんどの荷物を木陰にデポする。10キロほど軽くなっただけだが気分は軽い。

三段紅葉

麓の緑、中腹の紅葉、稜線の積雪と三色に見えることを三段紅葉という。

甲斐駒

大迫力の山容に登りたい気持ちになるが荷物は置いてきたし、今日の目的地にたどり着かねばという本末転倒なことにとらわれ、荷物のもとへ下りる。

振り返ると甲斐駒ヶ岳

鞍部に下りて荷物を背負いなおすとまた厳しい登りになる。実際の傾斜はたいしたことはなかったかも知れないけれど重い荷物の上に若干の積雪もあり気をつかう。

アサヨ峰

そこからさらに尾根を歩いて行くと次第に左手から雲が吹き上がり、右手から吹き上がる風とぶつかり押し返されてゆく。

尾根の東西から風がぶつかりあう

あまりにも荘厳な風景にシャッターを切り続けたが同時に急激な雲の動きになんとなく嫌な予感もしていた。

Akira

北海道出身、旅と写真と山とダンス好き。
クラニオセイクラルやタイマッサージなどのセラピストとして活動しつつ、ウェブ制作も手掛ける。
旅ネタの多い、気まぐれブログ。
詳細プロフィール

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