ヒートテックは登山には向かない-発熱繊維のリスク

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ヒートテックは登山には向かない。
登山用具は最初にガンとお金がかかるので、初心者の頃はどうにか節約したいなーと外から見えないインナーにユニクロを選んでしまうことがある。
しかしこれは大きな間違いで、インナーこそ良いものを選ぶ必要がある。

何年か前にモンベル広報誌「OUTWARD」にこんな記事があったので引用してみよう。
ユニクロのヒートテックやミズノのブレスサーモを代表とする発熱素材についてだ。

「発熱繊維は吸湿することにより発熱する親水性のため衣類を濡らさないというアウトドアの鉄則に反することになる。発熱アンダーウェアの混紡率は10~30%で、発熱繊維の吸湿量が繊維重量あたり50%(ウールは15%)と多めに見積もったとしても製品重量が300gのシャツの場合、わずか50g足らずの水分で飽和状態になってしまいます。発汗量を考えるとこの程度の吸湿量では全く追いつきません。
運動時に体温を下げるために発汗している状態では、発熱繊維はすでに飽和状態に達し、吸着による発熱もストップしてしまう。実際に発熱効果が感じられるのは完全に乾燥した状態のアンダーウェアを着て、不感蒸泄により発熱繊維が飽和状態に達するまでのきわめて限定的なものです。飽和量以上の不感蒸泄や汗は親水性のある繊維表面に結露します。
乾いたアンダーウェアに比べ、保水したアンダーウェアは熱を伝えやすく、身体が当たる内側から外側へ熱を移動しやすくなります。さらにアンダーウェアの内側では、保水した繊維が肌に接しているため、その水が蒸発する際に気化熱により体温が奪われ、いわゆる汗冷えという状態を招きます。
ただしウールに関しては繊維表面にある鱗状組織(スケール)が開閉して調湿を行うため、急激な気化(放熱)がありません。スケールも疎水性で、ウールの熱伝導率自体がもともと低いので発熱繊維でありながら汗冷えがきわめて少ないのが特徴です。
Mont-bell Outward 2009 Dec号より

町での日常生活にはヒートテックは役立つけれど、アウトドアではむしろ危険ですよ、ということ。
ちなみにこのあとはモンベルジオラインアンダーウェアをアピールする文章が続くわけだけれどそれはご愛嬌。

ぼく自身はかなりのモンベラーなので冬山に登るときはジオライン薄手をベースに着ることが多い。厳寒期だとモンベルジオラインメリノウールも使う(虫食いの穴があるけど)。良い値段はするけれど3年たってもへたれずに、役立っている。
2015/10/05加筆修正: この記事を元々書いた2010年頃はモンベルを多く使っていたが今はパタゴニアばかり。日本価格だとパタゴニアはお高いが、モンベルよりもモノは良く、長持ちする。finetrackのドライレイヤーを着るのも良いだろう(finetrack持っていないけど)。

パタゴニア製品については日本で正規価格で買うととても高いので米旅行のついでに購入したり、パタゴニアのアウトレット、あるいは円高になったら海外通販で購入するのも良い。どのくらい日本価格が高いかと言うとアメリカのパタゴニアで働いていた人が「なんで日本だとこんなに高いのーーー」と叫ぶくらいである。
https://nomadism.info/2014/01/pataimport/

もう10月。これから積雪が安定するまでは1年を通じて最も登山が難しい時期だ。
山小屋ももうほとんどが営業終了する。無理のない登山を心がけよう。

※不感蒸泄について調べたところ「山より道具」さんでこんな記事を見つけた。
http://ulgoods.exblog.jp/1685302/

ほかにもこんなの。
http://beyondx.blog.fc2.com/blog-entry-345.html
VBLね、調べてみよう。

Akira

北海道出身、旅と写真と山とダンス好き。
クラニオセイクラルやタイマッサージなどのセラピストとして活動しつつ、ウェブ制作も手掛ける。
旅ネタの多い、気まぐれブログ。
詳細プロフィール

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