リスとカラスがいない-ニュージーランドにて

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 クライストチャーチの中央公園、ハグレーパークは秋になるとドングリであふれかえっている。日本の感覚だと、たとえ都市部でもリスがせっせとドングリを集めるのでこうはならない。
 リスがいなくてもノネズミたちがあっという間に食べてしまう。地面を埋め尽くすほどのドングリ、という風景はふつうはありえない。
(追記4/14:私の生活圏で見かけないだけで日本でもタイミングが良ければ地面を埋め尽くすことはあるみたいです(>.<) ドングリごろごろ
 ハグレーパークを数日歩き回って感じた違和感はそれだけではない。カラスがいないのだ。
 通常(日本の感覚での「通常」だ)人の住むところには必ずカラスとスズメがいる。見たところ、スズメの仲間はそのへんでチュンチュンしている。でもカラスがいない。
 日本ではカラスは北アルプスの山々の稜線、2000mにまで餌を求めてやってくるたくましい鳥である。いかに隅々まで清潔を心がけているクライストチャーチといえどいないはずがない!
 
 ニュージーランドの歴史を調べてみるとその謎の一部が解けてきた。
 まずニュージーランドは早期に大陸から離れた島々であり、クジラとコウモリ以外のほ乳類が元々いなかったそうだ。リスもネズミもいないのはそれでなっとくである。
 ただその後英国人がニュージーランドに入植してきた際に、犬や猫、ネズミや鹿が入り込み、生態系を大きく乱したという。
(wikipedia情報ですけど)

 そしてカラス。これはNew Zealand Birds Onlineというサイトを調べて次のようなことがわかった。
http://nzbirdsonline.org.nz/species/rook
 ニュージーランドで都市部に生息したRookというカラスがいた。1970年代まではおよそ5万羽、北島とカンタベリー地方(クライストチャーチのある地域)に生息していた。しかしその後駆除がはじまり、カンタベリーでは営巣中の雌を700以上処分したそうだ。その結果rookはほとんどいなくなり、残っているのは雄のみだそうだ。

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 一見、隅々まで整い、デザインされた町並みのクライストチャーチだが、それは人間にとっての利便性や美しさでしかなく、自然にとっては関係のないこと。国として、ニュージーランドにはとても好感を持っているけれど、そういった面も知らずに呑気に楽しむことはどうにもできない。

Akira

北海道出身、旅と写真と山とダンス好き。
クラニオセイクラルやタイマッサージなどのセラピストとして活動しつつ、ウェブ制作も手掛ける。
旅ネタの多い、気まぐれブログ。
詳細プロフィール

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